このシリーズでは、過去に国公立大で出題された英語長文を題材に
一文ずつ和訳を交えて解説を行います。
総合的な英文の解釈や文構造の理解を深める教材として読んでいただくと幸いです。
こんにちは!
今回も重要でありながら、忘れがちな知識が盛りだくさんです。
では見ていきましょう。
猟師のせりふの続きからです。
15文目
You ― being a learned priest of pure life ― might indeed acquire such enlightenment as would enable you to see the Buddhas; but how should a man who kills animals for his livelihood find the power to see the divine?
「あなたは清い生活をおくられて徳をつんだお坊様ですから、実際に仏様を見ることができるような悟りをひらくことができるかもしれませんが、生活のために動物を殺す男が神を見る力をどうして身につけることができましょうか。」
・being a learned priest of pure life ここは分詞構文(理由)ですね。
「~なので」と和訳します。
being の主語は主節主語と一致しますから
You つまり「お坊様」です。
分詞構文については過去の記事を参照してください。
・as これは、本当は(接続詞)なのですが、(関係代名詞)のような働きを
することから擬似関係代名詞といわれています。
ここでは主格の関係代名詞の働きです。
先行詞にあたる語句に such がついているときにこの用法が使われます。
・enable O to do 「Oがdoすることを可能にする」
・should は、疑問詞とともに用いて、
「驚き」を表します。
また、この疑問文は修辞疑問文です。
修辞疑問文については過去問の記事を参照してください。
・a man を修飾する関係詞節は
who kills animals for his livelihood です。
・find は「身につける」と意訳しました。
・to see the divine は不定詞の形容詞的用法。
the power を修飾しています。
16文目
Both I and this boy could see all that you saw.
「私とこの少年は、お坊様が見たすべてのことを見ることができました。」
・Both A and B 「AとBの両方」 この形が主語のとき、
動詞は複数形で受けます。
(本文では助動詞が使われているので、このことは本文とは直接関係ありません。)
ちなみに、
either A or B 「AかBのどちらか」 や
neither A nor B 「AもBも~ない」 が主語のとき、
動詞の[人称]、[数]はBに一致します。
例文を示しておきますね。
Both you and I are wrong.
「あなたも私も間違っている。」
Either you and I am wrong.
「あなたか私のどちらかが間違っている。」
Neither you nor I am wrong.
「あなたも私も間違っていない。」
・that you saw この that は関係代名詞(目的格)ですね。
先行詞はもちろん all ですね。
まず、このことを理解していただいて、次の注意事項を読んでください。
先行詞に以下の語句がついているときには、関係代名詞は that を用いる。
形容詞の最上級 / 序数詞 / any / very / only / no / every / all / same
※参考書によっては、「この場合、which よりも that を好んで用いる」
と書いてあったりしますが、受験生の皆さんは、
「この場合、which ではなく that を用いる」と覚えてください。
_______________________________
今日の文も、学べることがたくさんありましたね!
受験生の皆さん、頑張ってください。
今回はここまでです!
いかがでしたでしょうか?
このような形式で可能な限り丁寧に英文の解説を行っていきます。
次回もお楽しみに。