このシリーズでは、過去に国公立大で出題された英語長文を題材に
一文ずつ和訳を交えて解説を行います。
総合的な英文の解釈や文構造の理解を深める教材として読んでいただくと幸いです。
こんにちは!
今回も重要でありながら、忘れがちな知識が盛りだくさんです。
では見ていきましょう。
猟師のせりふも大詰め。必死になって、お坊様に何かを説明しようとしている場面です。
ちょっと長めの文ですが、頑張って読んでください。
17文目
And let me now assure you, reverend sir, that what you saw was not Fugen Bosatsu, but a goblinry intended to deceive you ― perhaps even to destroy you.
「敬愛するお坊様、どうか私に説明させてください。お坊様が目にされたのは普賢菩薩ではなく、お坊様を騙そうとする妖怪なのです。ともすれば、お坊様を殺そうとさえしたかもしれません。」
・let O do 命令文ですね。「Oに do させる」となります。頻出の表現ですから覚えてください。一つだけ例文を書いておきます。
Let me know the truth.
「私に本当のことを教えてください」
・now は、和訳に反映させにくいので、無視しました。
・reverend は聖職者に対する敬称です。普段の生活ではあまり耳にしませんね。
・ assure は4文型の動詞です。assure IO DO の形で「IOにDOを確信させる」と訳します。なお、この文では that 節が DO にあたります。that 節は、文末まで続きます。
・what you saw はご存知のとおり the thing which you saw と、書き換えることができます。このパーツがthat 節内の主語になっています。
・that 節をよくみると、not A but B の構文が使われていることに気づきますか?「A でなく B」と訳します。この構文は not と but が離れていて、見つけにくいことが多いですから、注意が必要です。
・destroy は、文の意味を考えて「殺す」と意訳しました。「お坊様を破壊する」などと訳すと減点されかねません。
18文目
猟師のせりふは、まだ続いています。
猟師は、お坊様を説き伏せようとしているようです。
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I beg that you will try to control your feelings until daybreak.
「どうかお坊様、夜明けまで落ち着いてください。」
・ I beg that ~ これは「~をお願いします」というような意味です。
that 節は文末までです。
・この和訳ではわかりにくくて申し訳ありませんが、
受験生にとって大切な文法が使われています。try to do と try doing との違いを理解できない受験生が毎年あとを絶ちません!例文を示しますので、違いをよく考えてください。
①I tried to write a letter to her.
「私は彼女に手紙を書こうとした。」
②I tried writing a letter to her.
「私は彼女に手紙を書いてみた。」
いかがですか?
②では実際に手紙を書いているのに対して、
①では実際に書いたのかどうか、ということまでは言及していません。
この違いをよく理解してください。
try to do 「~しようとする」 / try doing 「~してみる」
これは同じではありません!
同じことは
remember to do / remember doing や
forget to do / forget doing にも言えます。
注意して和訳してください。
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今日の文も、学べることがたくさんありましたね!
受験生の皆さん、頑張ってください。
今回はここまでです!
いかがでしたでしょうか?
このような形式で可能な限り丁寧に英文の解説を行っていきます。
次回もお楽しみに。