このシリーズでは、過去に国公立大で出題された英語長文を題材に
一文ずつ和訳を交えて解説を行います。
総合的な英文の解釈や文構造の理解を深める教材として読んでいただくと幸いです。
光り輝く仏様を、猟師が弓で射抜いてしまいました。
お坊様は、大いに怒っていますが・・・。
という場面です。
9文目
But the hunter received the reproaches of the priest without any sign of compunction or of anger. Then he said, very gently ―
「しかし猟師は、悔恨や怒りの様子をまったく見せず、お坊様の叱責を(甘んじて)受けた。そして彼は、とても静かに言った。」
・without O は「Oなしで~」「Oなしに~」という副詞句です。
英作ではかなり利用価値が高い表現です。
ちなみに、without は否定の意味を持つ語ですから後には some ではなく any がきています。
・sign of compunction or of angerは 悔恨や怒りの様子 と訳しました。
or の後ろのofが気になるという人がいるかもしれません。
これは前のsignに対して of compunctionとof angerが係っており、orが接続しているという状態です
ようやく10まで来ました。
こうやって長文の解説をしていると、
一つの長文から学べることが、いかに多いかということにあらためて気づきます。
受験生の皆さん、「速読」もいいですが、それ以上に「精読」をお勧めします。
それでは長文の続きです。
10文目
“Reverend sir, please try to calm yourself, and listen to me.
「敬愛するお坊様、どうか落ち着いてください。わたしの話を聞いてください。」
・calm は他動詞「~を落ち着かせる」として使われています。
ですから、直訳では「あなた自身を落ち着かせてください」となりますが、
日本語がへんてこなので、少々意訳しました。
calm は通常 calm dowm Oのように使用しますが、
本文のように、目的語が再帰代名詞のときは down を落として
calm oneself のように使うことが多いようです。
なお、目的語が代名詞のときは calm O dowm のようにします。
また、calm down は自動詞「落ち着く」としても使えます。
一般に、「他動詞+副詞」ではこのような語順になります。
以下に例を示しておきます。
Don’t pile up books on your desk.
「机の上に本を積み上げてはいけない」
Don’t pile it up on your desk.
「机の上にそれを積み上げてはいけない」
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今日の文も、学べることがたくさんありましたね!
受験生の皆さん、頑張ってください。
今回はここまでです!
いかがでしたでしょうか?
このような形式で可能な限り丁寧に英文の解説を行っていきます。
次回もお楽しみに。