こんにちは!
奈良県橿原市にある
ナセバ進学予備校トレーナーのSです。
2022年4月に大阪府立大学と大阪市立大学が
統合され、大阪公立大学が開校しました。
私はその統合前、
大阪市立大学の文学部出身です。
大阪公立大学の文学部は、
市大文学部のシステムが
そのまま踏襲されているので
この記事では大阪公立大学の文学部に
スポットを当てて紹介していきます。
ひとくちに文学部といっても
具体的にどんなことをしているのか
わからないという方も多いと思いますので、
出身者の目線で詳しく解説していきます!
この記事を読むと以下のことが分かります。
- 文学部の専攻ってどうなってるの?
- どんな学科があって、何をしているの?
- 入試ではどんな対策をしたらいいの?
- 実際の雰囲気は?
大阪公立大学文学部を目指している方、
大阪公立大学文学部について
まだよく知らないという方は
ぜひ参考にしてください!
大阪公立大学文学部のシステム

専攻について
大阪公立大学の文学部は
4学科15コースに分かれており、
幅広いフィールドを対象に学ぶことができます。
その多彩さは、文学部だけで
「小さな総合大学」と呼べるほど。
以下の4つの学科に分かれています。
各学科についての詳しい紹介は後ほど行います。
- 哲学歴史学科
- 言語文化学科
- 人間行動学科
- 文化構想学科
各学科・コースへの所属は2年次からになります。
これが大きな特徴で、
1年次は講義を受ける中で多様な分野に触れて
自分の興味をゆっくり見極めることができます。
入学の段階で専攻が絞られるわけではなく、
実際の講義を通して
各コースの具体的な学びの内容を知ってから
コース選択をすることができるので、
所属してから「思ってたのと違う!」と思う
ようなミスマッチが起こらなくなります。
もうひとつの特徴は、
文学部の定員が1学年160名で、
そこから15コースに分かれるので、
各コース数名~十数名という少人数編成になる
ということです。
対して教員が各コース3~5名程度いるので、
一人一人の探究心に対する充実したサポートを
受けることができます。
取得可能な免許・資格・受験資格
大阪公立大学文学部では以下の
免許・資格・受験資格を取得できます。
- 学芸員(博物館学芸員資格)
- 認定心理士
- 社会調査士
- 公認心理師(受験資格)
- 中学校教諭一種免許状(国語、社会、英語、中国語、ドイツ語、フランス語)
- 高等学校教諭一種免許状(国語、地理歴史、公民、英語、中国語、ドイツ語、フランス語)
取得に必要な条件や
履修人数制限が設けられているものもあるので、
詳細はホームページ等をご確認ください。
入試について

大阪公立大学文学部の入試は、
共通テストと個別検査によっておこなわれます。
募集人数と倍率は以下の通りです。
募集人数 | 2023年度倍率 | 2022年度倍率 | |
前期日程 | 125名 | 3.6倍 | 3.0倍 |
後期日程 | 30名 | 11.2倍 | 9.6倍 |
前期日程は約3~4倍、後期日程は約10倍程度となっています。
共通テストと二次試験の配点は以下の通りです。
共通テスト:450点
二次試験(前期、後期とも):400点
合計:850点
共通テストと二次試験の比重は
それほど変わりませんので、どちらも
バランスよく対策する必要がありますが、
共通テストで高得点を取って
貯金を稼ぐのがおすすめです。
ちなみに筆者の受験時は、
二次試験がかなり難しい
(≒点差がつきにくいのでは?)
と感じていたので
共通テストで8割取って逃げ切りました。笑
共通テスト
共通テストのボーダー得点率(河合塾基準)
前期日程:73%
後期日程:79%
2023年度合格者の共通テストの平均得点率
前期日程合格者:75.9%
後期日程合格者:79.1%
2023年度合格者の平均得点率は
ボーダーよりも若干高くなっています。
75~80%程度の得点率を目指したいですね。
二次試験
二次試験は前期日程と後期日程の
募集があります。
前期と後期で試験の内容は異なります。
前期日程
前期日程は2教科(国語、外国語)の
個別学力検査です。
午前中に国語の記述試験があります。
120分間の記述試験なので
集中力を切らさないことが重要です。
文学部では現代文2問に加え、
古文と漢文も出題されます。
現代文も古典も、
要約や説明を求められる設問が多く、
読解力だけでなく文章表現力も重要になります。
午後は外国語の記述試験があり、
こちらは100分間です。
2022年度の英語は長文読解2問と
日本語文章の英訳が1問出題されています。
単語・文法力だけでなく、文脈を推測する力や
表現力が求められます。
後期日程
後期日程は150分間の小論文の試験です。
与えられた文章に関して
自己の見解を論述する形式です。
国語と同じように
文章の要約や説明が求められるのに加え、
自分自身の見解を
具体例等を用いながら論述する力も
求められます。
学科・コース紹介

ここからは文学部の学科・コースについて
ひとつずつ紹介していきます!
どのコースもそうですが、
大学での学びは高校までと全く異なります。
ただ座って先生の話を聞いたり
教わったことを暗記したりするだけでなく、
自ら考えてディスカッションしたり発表したり、
フィールドワークに出かけたり実験調査したりと
より能動的な学びになって
非常に楽しいと思います!
それではコースをみていきましょう!
哲学歴史学科
3つのコースからなり、哲学や史学を学びます。
日本や世界における文化や社会の本質について
”時間”に軸を置き、紐解いていく学科です。
哲学コース
世界の存在と人間がそこに占める位置といった
哲学の古典的なテーマから、
倫理学的・宗教学的問題、
さらには現代の哲学的諸問題について
西洋哲学の伝統を踏まえて考えます。
日本史コース
遺跡・遺物、記録、古文書などの史料をもとに、
社会史、都市史、文化史など多様な視点から
古代から現代に至る日本の歴史を学びます。
座学だけでなく、調査合宿や現地見学会などの
催しもあります。
世界史コース
東洋史、西洋史のいずれかに
重点を置いて学びます。
さまざまな史料を読み解き、
各地域の特質や、各社会の政治的・文化的背景を
明らかにします。
人間行動学科
4つのコースからなり、
社会や地域、心、教育について学びます。
人間の行動に焦点を当て、
心と行動の関係、人と社会や地域との繋がり、
人と人との関わりなどについて考える学科です。
社会学コース
人間がつくりだした社会に現れる現象を
科学的に分析します。
諸制度、都市、家族、産業と労働、文化と情報、
メディアなど、多角的な視点で学びます。
心理学コース
心のはたらきという目に見えない現象を、
行動という客観的な指標を通して
明らかにします。
感覚・知覚、認知、学習、発達、性格といった
心のはたらきのさまざまな側面について
実験なども用いて深く学びます。
臨床心理学の分野は他学部(生活科学部と現代システム科学域)で扱っています。
教育学コース
学ぶ、教える、成長するという営みを
幅広く対象とし、
学校教育と学校外教育の両面にわたる
思想、制度、方法などについて学びます。
教師を目指す人だけでなく、一般就職する人も
多くいます。
地理学コース
旺盛なフィールドワークを通じて
地域の現実やメカニズムを把握し、
その成果を社会にフィードバックする
能力を養います。
高校までの教科としての地理とは
少しイメージが異なるかもしれません。
言語文化学科
5つのコースからなり、
文学や言語、文化を学びます。
日本をはじめ、中国やアメリカ、ドイツ、
フランスなど世界に目を向けて
語学や文学の視点から人間にアプローチします。
国語国文学コース
日本語と日本の文学について、
体系的・歴史的に学びます。
古典作品の緻密な読解と着実な論証を重視し、
日本文化の究明を目指します。
中国語中国文学コース
文学、語学、文化の3つの視点から、
中国語の歴史やしくみに関する
深い知識を得るとともに、
近現代文学や演劇、映画などを幅広く学びます。
英米言語文化コース
英米文学、英語学、英米文化の
3分野について学びます。
世界共通語として機能している英語そのものの
高度な運用能力を身に付けることができます。
ドイツ語圏言語文化コース
ドイツ語圏文学、ドイツ語学、ドイツ語圏文化の
3つの視点から、
近現代の文学や文化現象について考察し、
ドイツ語のしくみと歴史について学びます。
フランス語圏言語文化コース
フランス語の力をつけることを軸とし、
言語、文学、文化の学びを通じて
欧州のみならず世界中に広がる
フランス語圏の多様な社会や文化について
考察します。
文化構想学科
3つのコースで構成されています。
従来の学問分野からはこぼれ落ちてしまいがちな
文化的事象をも考察対象とし、
文化創造を社会的実践に結びつけて学びます。
表現文化コース
「表現」あるいは「表現する行為」に注目し、
文学、演劇、音楽、美術、映画、
サブカルチャーなどさまざまなものを対象とした
比較研究をおこないます。
柔軟で斬新な研究が可能です。
アジア文化コース
アジア地域の文化について学問的知見を深め、
文化を比較の視点から考察する方法を学びます。
現代の文化状況への鋭い感性を養い、
それぞれの地域や社会の特性に応じた
文化の活用を考えます。
文化資源コース
文化を社会の中で活用するための
理論や実践について学びます。
アーツマネジメントや観光学をはじめ、
幅広い文化を対象としており、座学だけでなく、
ツアープランの企画や地域づくりの現地調査、
音楽ワークショップの体験、
劇の制作・上演など
実践的な学びも取り入れています。
実際に大学の雰囲気を体感してみよう!

大阪公立大学文学部では、
中高生が参加できるイベントが
定期的に開催されています。
例年春には
『公大授業』が開催されており、
実際に文学部の授業を体験することができます。
文学部の現役学生と
フリートークができる企画もあります!
夏にはオープンキャンパスが開催されており、
こちらでも学生と交流できる企画があります。
入学してからの生活や学びについて、
入試の体験談など、
参考になる話がたくさん聞けると思います。
こういったイベントを活用して
大学生活のイメージを膨らませたり、
志望校選びの参考にしてみてください!
日程や申し込み情報など
最新の詳しい情報は、
ホームページ等をご確認ください。
まとめ
今回は大阪公立大学文学部について
詳しく紹介してきました。
まとめです。
- 4学科・15コースに分かれ、多彩な学びが可能
- 1年次は幅広く学びながら自分の興味と向き合い、2年次から各コースに所属
- 入試では共通テストと記述対策をバランスよく
- 大学で開催されているイベントを活用しよう
大阪公立大学文学部を志望する受験生にも、
まだ大学受験まで時間がある
高校1年生・2年生にも、
参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!