こんにちは!
国公立・関関同立専門予備校
ナセバの学習トレーナーのNと
塾長の山中です。
今回の記事では、長文問題の解き方と、
受験に向けた勉強方法などを解説します。
自分自身の受験や、これまでの指導経験も
交えて詳しく説明していきます!
突然ですが、受験生の皆さんは
長文問題、得意ですか?
一度は耳にしたことのある言葉ですよね。
英語で書かれた本文を読み、
設問に答える形式の問題です。
入試本番では限られた時間で、
相当な分量の英文を読み、高い
精度で設問に解答しなくてはなりません。
国公立大学が第一志望の人も、
私立大学を志望している人も、
ほぼ必ず挑戦することになる問題ですね。
最近では大学受験全体で、【英語】
という科目の見直しが図られています。
特に、センター試験→共通テストへと
移行されたことにより
試験問題にも大きな変化がありました。
こうした背景もあり、長文問題の実力は
以前にも増して、重要な要素になりました。
しっかりと対策をして、実力をつけていきたいですね!
そのためには、日々練習を重ね
英文読解の精度と速度を高めておく必要があります。
それでは、早速解説していきましょう!
英語長文問題の対策【長文問題とは】
そもそも、長文問題とは、どのようなものか。
ご存じの方も多いかと思いますが、単に英文を
読めたら点数がもらえるものではありません。
- 本文中の空欄補充(語句選択)
- 本文中の空欄補充(動詞変形)
- 語句を並び替えて1文を完成
- 内容一致選択
- 同意文選択
- 和文英訳
- 英文和訳
などのように、
設問の出題形式は多岐にわたります。
つまり、「読める」ことは必須条件で
さらに、様々な形式の設問に対応する
力が別で必要になります。
受験において合計点に安定感を持たせるための
カギになるのが英語という科目です。
その中でも長文問題は英語の配点の
大部分を占める非常に重要なものです。
特に関関同立などをはじめとする
次第の3科目以下の受験において、
英語を武器にすることができれば
一気に合格に近づきます!
今回の記事は長文を「読む」ことに
特化した内容となっております。
先述した、「読む」以外の重要な力を
身につける方法は別の記事にて
しっかりと解説したいと思います!
英語長文問題の対策【必要な力】
英語長文を解くうえで必要な力は
大きく分けて3つあります。
それぞれの力の解説と、
おすすめの教材と効果的な
使用方法をご紹介します。
中には当塾でも実際に採用している
テキストもありますので、
ぜひ参考にしてください。
①語彙力
英語長文を読むうえで
切っても切り離せないのが語彙力です。
もちろん覚えている単語は多ければ、
多いほどいいですが、受験生は他にも
やるべきことがたくさんあるので、
どこまで覚えるかの線引きが
非常に難しいところです。
覚えるべきところをしっかり抑えて
効率よく学習する必要があります。
英単語
まずは学校で使用している単語帳を
必要な範囲まで2周・3周と
暗記&チェックを行いましょう。
「一日〇〇個ずつ覚える!」
とペースを決めて毎日コツコツ
進めていくことが大切ですね。
多義語
英単語には以下のように、
簡単に思えても複数の意味を持つ
「多義語」が数多く存在します。
last
1.The war lasted four years.
戦争は4年続いた
2.Our food will last a week.
食料は1週間持つだろう
3.the last man who would tell a lie
最も嘘をつきそうにない人
4.He’s moved twice in the last year.
彼は最近1年間に2回引っ越した
leave
1.leave an umbrella on the train
電車に傘を置き忘れる
2.leave the door open
ドアを開けたまま放置する
3.There is little time left.
残り時間がほとんどない
4.take paid parental leave
有休の育児休暇を取る
こうした多義語については、
特に注意しておく必要があります。
市販の有名な単語帳であれば、
巻末などにまとめてありますので
もれなく暗記しておくといいでしょう。
英熟語
単語の意味だけでなく、
熟語も抑えておくとさらに
心強いですね。
熟語は文章中の中での、
使われ方と一緒に覚えていく方法をお勧めします。
時間があまり残されていない受験生で、
熟語帳1冊を仕上げられない人は、
最低限、vintageやnextageなどの
参考書の熟語パートを覚えるといいですね。
②文法力
英文を読み、内容を把握する際に不可欠なのが
文法に対する理解と知識です。
文法をしっかりと固めてから長文演習に臨むか、
否かで、理解度やその後の伸び率が
大きく変わってきます。
文法の参考書や問題集は分厚く、
マスターするのに苦労するかもしれませんが、
必ず身につけておきたい分野です。
③構造把握能力
文法の問題は解けるし、
単語もある程度覚えているのに全く
文章の意味が分からないという状態に
陥ったことはないでしょうか。
実は僕自身もそれで悩んだことがあります、、、
これには構造把握能力が大きくかかわっています。
構造把握能力についてはリンクの記事をご覧ください。
必要な力の実力アップにオススメの教材
最近では、大型書店に行くとかなり多くの
参考書や問題集が並んでいます。
多くの受験生に選ばれてきた名書や、
大手予備校の講師監修の本格派参考書、
トレンドやニーズに応えた新進気鋭の参考書まで
その種類は枚挙に遑がありません。
それぞれに独自の工夫が凝らされており、
各々の長所・短所があります。
そんな中から、今回は以下のような
観点から、厳選の数冊をオススメしていきます。
・扱っている内容
・使いやすいか(デザイン・構成)
・独学に向いているか
・入手のしやすさ
システム英単語
言わずと知れた英単語帳の殿堂です。
学校で使用しているという人も、
多いのではないでしょうか。
2027語の頻出英単語が収録されています。
この一冊だけで、単語はすべてカバー!
とはいきませんが、最初の1冊としては
十分な内容です。
その単語が使われている例文も
同じページに載っているので、
英語⇔日本語1対1の暗記が苦手な人でも
使用しやすいと思います!
もちろん、多義語も収録されています。
速読英熟語
こちらも定番の一冊です。
当塾でもかなり推奨しています。
最大の特徴は、200語前後の英文の中で
熟語や構文を覚えていけるところです。
英文が全部で60個掲載されています。
英文のなかに、熟語や構文が散りばめられています。
左側のページには英文(200語前後)
右側には、英文の対訳(日本語)
次の見開きで、英文中に登場した
熟語や構文がリストになっています。
毎回英文を読みながら、文中で意味を確認し
使い方をを暗記することで、
単なる語彙力アップ以上の効果が見込めます。
リストだけ見て丸暗記するだけでは、
惜しい教材です!巻末の資料まで含めて
非常に有益な1冊です。
Vintage
こちらも学校でよく使用されています。
あるいは、ネクステージやscrambleなど
互換可能な教材を使っている人も、
多いかもしれませんね。
受験勉強のスタートが遅れた、受験生は
この一冊だけまず完璧にしよう!と
言い切りたくなるくらいしっかりとした
テキストです。
①理解・暗記・確認・復習まで一冊で完結する構成
②文法・語法・イディオム・会話表現・
語彙・発音・アクセントを収録した網羅性
この2つの特徴が、オススメしたい理由です!
英文読解入門基本はここだ!
これから英文解釈を勉強していこうとする人
すでに読解問題の演習をしているが苦手意識のある人
など、初学者にもある程度進んだ人にもおすすめの一冊です。
当然ですが、1文1文が纏まって段落になり、
段落の集合で長文は成り立っています。
つまり、1文ごとを正確に構造把握し
理解できるようになることが、
長文対策の第一歩です!
本書の強みはこの、
「1文の構造を正確に把握する」ために必要なことを
1から学べるところにあります。
1人では扱いづらいという声も耳にしますが、
文法の基礎的な知識や単語がある程度備わっていれば
1人でも十分に活用できるはずです。
受験までの時間に比較的余裕があるには
是非勉強してほしい1冊です
入門英文解釈の技術70
「基本はここだ!」に並び、
読解演習の前には触れておきたい1冊です。
その名の通り、英文を解釈する際に
知っておくと便利で実践的な
テクニック(=技術)を全部で70個
収録しています。
(10)VOOかVOCかはbe動詞でチェック
(21)従属節は[ ]でくくれ
(36)which/thatは後ろがSVなら目的語
などのように、汎用性が高く
すぐ実践できる方法論を体系的に学べるので、
これまで、感覚やなんとなくの意味で
長文を読んできたという人にこそ
オススメです。
英語長文問題の練習方法
ここまでは、長文問題の土台となる
3つの力について解説してきました。
これらが身に着いたら、
後はどんどん練習を重ねましょう!
瞬く間に長文が解けるようになる
魔法や近道はありませんが、
コツはあります!
しっかり意識しながら、
数をこなすことで着実に
実力はつきますので、
頑張っていきましょう!
それではさっそく、練習方法の
ステップと、コツを見ていきましょう
長文問題練習の流れとコツ
長文の練習は、【演習】➡【丸付け】で
終了ではありません。
【演習】➡【要約】➡【丸付け】➡【音読】【インプット】
実は、解いた後や丸付けをした後こそ、
非常に重要なステップなのです。
ステップごとに身に付けられる力も変わります。
なので、時間の限り各ステップを丁寧に
取り組むことを勧めます。
問題を解く
まずは演習です。どのテキストも基本的には
目安時間が記載されているはずです。試験本番を想定して
日々の勉強から時間の感覚を養いましょう。
問題のレベルは自分の実力とマッチしたものか、
少し上のレベルのものを選ぶといい練習になるでしょう。
実力と問題のレベルの差があまりに大きい場合は
演習しても、力がつかない場合もあるので
注意しましょう!
本文を読んでいるときには、
訳せない単語や文に線を引くなどして、
あとから復習しやすいようにしましょう。
また、選択問題などで
確信をもって選べなかった問題も要注意です。
たまたま正解になって、そのまま次に進む
ことがないように印など打っておくといいですね。
要約
このステップは見逃されがちです。
実際やったことがないという人も
多いのではないでしょうか。
要約とは、文章全体を通して
書かれていた内容の
「要点を端的にとらえること」です。
文章には基本的に、主張やテーマが込められています。
主張には根拠や反論に対する返答が、
物語にはテーマに沿った起承転結が
書かれているはずです。
その内容を要約し
言語化しましょう。
一見、点数に繋がらない勉強のように
思うかもしれませんが、そんなことはありません。
可視化されにくい、読解の感覚値や
思考力・記述力・表現力など、
様々な部分で還元されます。
可能なら、自分の要約が文意を
捉えられているか、周りの先生に
添削してもらうと、なおさら効果的ですね。
正しい方法で続ければ、訳しづらい文章も
概ねの意味を推測しながら読めるようにも
なります。ぜひ、実践・継続してみてください。
丸付け・解説確認
設問の正解・不正解を確認した後は、
じっくりと解説ページを読み込みましょう。
自分が間違えた問題や、たまたま正解した
問題について、正解するためのアプローチや
判断の根拠を理解し・身に付けましょう。
はじめのうちは、解説が丁寧で
分の構造解析が詳しくなされている
テキストを選ぶことをお勧めします。
次項で説明しますが、音読も非常に重要です。
そのために、音読用のCDやデータが
用意されているかどうかも重要です。
また、解く際に訳せなかった単語や
文についてもここでフォローしておきましょう。
インプット
このステップも見逃されがちです。
解説を読んで他でも活用できるような内容や
新出単語、忘れていた文法などは、
あなたの実力をアップさせるための
非常に重要な要素です。
ノートやルーズリーフに簡単にまとめ、
必ずストックしていきましょう!
ここで大事なのは、チェックできる形式で
まとめておくことです。
例えば、
ノート1ページを半分に折り、
右半分と左半分それぞれに
integral 不可欠な
insane 正気を失っている
↑のように、まとめていれば、
左右どちらかを隠せば、すぐに
チェックできる仕様になっています。
これが、あなただけの弱点リストとして
貴重な学習材料になっていきます。
何度も繰り返し暗記しチェックを重ね
弱点を1つずつ解消していきましょう。
音読
音読するときには英文構造、
内容を把握しながら読んでいきましょう。
10回~15回が目安です。
途中で詰まらず、滑らかにかつ
ある程度の速さで読み上げられる
状態になっていれば理想的です。
「なぜ音読が必要?」
という質問を受けることがあります。
結論、「様々な力が身に着くから」です。
具体的には
以下のような領域です。
- 読解
- 文構造理解
- 速読
- 聞き取り
長文問題の点数を上げるには、
本文や設問の読解における
精度と速度を両立させる必要があります。
つまり「素早く超正確に読む」が
近道なのです。
この精度と速度のどちらにも
効果的なのが音読なのです。
音読の効用や根拠を
説明するにはかなり長くなるので
別の機会に詳しく記します。
英語長文問題対策にオススメのテキスト
長文読解に必要な3つの力の際にも
ご紹介しましたが、長文対策のテキストも
数多く存在します。
さらには、ここ最近になり
これらのバラエティ豊かな参考書たちが、
Amazonのレビュー、Youtubeの紹介動画、
当サイトのような記事、SNSなど、
様々なところで評価されています。
中には、プロによる紹介や実体験に基づいた
紹介もあります。(当記事もその一つ)
ただ、こうした評価はあくまで参考程度にして、
最後は書店に行って自分で手に取って
「使いやすい!」とか「これなら続きそう」
と感じる一冊を選ぶのも大いに賛成します。
今の自分のレベルに合っている
志望校のレベルにマッチしている
解説がそこそこ丁寧
問題数を確保できる
毎日自分が進めるテキストですから、
気分が上がる一冊を見つけたなら、
上記の条件さえ大きく外さなければ、
正直何を選んでもいいのではないかと思います。
そんな中で、今回もこちらの観点から
オススメの問題集を4つご紹介します。
・扱っている内容
・使いやすいか(デザイン・構成)
・独学に向いているか
・入手のしやすさ
関正生のThe Rules 英語長文問題集
CMなどでもおなじみ、
スタディサプリの関先生による
長文対策問題集です。
全4巻のシリーズテキストとなっております。
1巻 入試基礎
2巻 入試標準
3巻 入試難関
4巻 入試最難関
2021年7月に発売された、
比較的新しいシリーズながら、
内容の充実具合から、当塾でも
正式採用し大変重宝しています。
1巻に12題ずつ問題が収録されており
入試長文の攻略に必要な
84の¨Rules¨を4巻に渡って
学ぶことができます。
解説も非常に丁寧で、
音読用の音声も無料で使用できたり、
学習者へのおもいやりが
散りばめられており、
とにかくオススメのシリーズです。
当塾でも実践している、
有効な使い方・勉強法は
別記事にて解説予定ですので
是非ご覧ください。
英語長文レベル別問題集
東進ブックス出版の
非常有名なシリーズです。
全6巻からなるシリーズで、
その名の通り、長文対策の
全レベルに対応したものとなっています。
1 超基礎
2 基礎
3 標準
4 中級
5 上級
6 難関
ルールズ同様、1冊には12題の問題と
解説が掲載されています。
問題ごとの解法や解説、対訳は
しっかりと載っていますが、
シリーズを通して汎用性の高い
読み方・解き方という面では
ややルールズに劣ります。
とはいえ、長年受験生から
選ばれている名著に変わりはありません。
レベルが細分化されているところが
本シリーズの魅力です。
そのため、自分のレベルの見極めが
難しい人や、段階を踏んで練習をしたい
という人にはもってこいの内容です。
やっておきたい英語長文
河合塾から出版されているシリーズです。
やっておきたい英語長文300
やっておきたい英語長文500
やっておきたい英語長文700
やっておきたい英語長文1000
既出の2シリーズ同様、
段階的に展開されています。
数字の部分は登場する長文
1題の語数を意味します。
300だと、200~400語の長文が
30題収録されています。
1冊当たりの問題数はこれまでの
2つよりも多くなっています。
また、エントリークラスの
300でも、難易度はやや高く、
長文の最初の1冊には
難しい人もいるかもしれません。
後半の700や1000は、既に
かなり演習を重ねた人にこそ有効でしょう。
良質な本文・解説はさすがです。
レベル別問題集(東進)1と2のあと
こちらの300に取り組むといった、
組み合わせも効くのではないかと思います。
英語長文問題の対策まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここまで、たくさん解説してきました。
- 長文問題とは
- 基礎の3つの力とその鍛え方
- 長文問題の勉強の仕方
- オススメの教材
どれか一つでも、皆さんの学習の
参考になれば幸いです。
最後に、英語長文で大切なことは
継続して読むことです。
どれだけ力をつけても継続しないと
その能力は驚くほど低下します。
一日の中で忙しいときは問題を
解かなくても大丈夫です。
ただ、読む習慣は止めないようにしましょう。
それではまた、次回の記事で!
志望校に向けて励む皆さんを心より応援しています!