このページでは大阪大学に
数多くの生徒を送り出してきた当校専属講師が
その経験をもとに、
大阪大学の英語の対策について紹介します。
過去数年間の大阪大学の英語の
入試問題をもとにした、
傾向と対策・難易度・学習方法などについて
解説していきます。
教学社出版の赤本に掲載されている
傾向や対策よりも一歩も二歩も踏み込んだ、
各大問別の具体的な対策方法で
今すぐにでも始められる内容となっていますので、
是非とも参考にしてください!
しっかりと対策をしていきましょう!
この記事を読めば以下の悩みが解決されます!
- 難易度は?
- どのような問題が出題されるの?
- どのような対策をすればいいの?
- オススメの参考書は?
- 目標点数は?
- どのような手順で対策をすればいいの?
この様な悩みを持った受験生は是非参考にして下さい!
大阪大学の英語の出題傾向
どの学部も共通の問題が出題されます。
外国語学部のみ大問5でリスニングが出題されます。
解答形式は記号選択と記述形式です。
出題数は4問で、試験時間は90分です。
(文学部105分、外国語学部120分)
1996年以降、大幅な変更はありません。
問題構成は以下のようになっています。
大問1 英文和訳問題
大問2 長文読解問題
大問3 自由英作文
大問4 和文英訳
2021年度の問題を用いて
さらに細かく分析してみましょう。
出題形式はこのようになっています。
ほぼ例年通りとなっています。
全体を通して、記述形式の解答が
中心となっています。
例年抽象的なテーマの文章が出題される
大問もありますが、出題形式としては
スタンダードだと言えます。
大阪大学の出題傾向から見た難易度
出題形式自体はスタンダードですが
和訳、英訳、自由英作など、
記述の解答が大半を占めています。
また、解答には語彙、文法の知識に加え
様々な力を必要とするものが多いため、
難易度は高いと言えます。
文法・精読等基本的な要素の実力をつけたうえで
形式別の対策を入念に行い、過去問演習も
十分に行いましょう。
それぞれの対策については後の章で解説します。
大阪大学の英語の対策
阪大の英語に必要な力
阪大の入試問題攻略には以下の力が要求されます。
・上位国公立レベルの豊かな語彙力
・文法の確実な理解と知識
・文構造に対する深い理解
・本文内容を正確に読み取る精読力
・本文を素早く処理する速読力
・文脈に応じて語や文をうまく訳す能力
・不自由なく表現できる柔軟な英作力
語彙力
あらゆる部分において、土台となるため、
単語、熟語の知識は必須です。
阪大の場合、極めて難しい語は頻発しませんが
過去には一般的な単語帳には
載っていないものも見られました。
まずは単語帳一冊を完璧に仕上げることを目指しましょう。
そのうえで、テーマ別の単語が収録されているものや
よりハイレベルな語彙に対応した単語帳で、
さらに強化を図りましょう。
当然ですが、対策を行う過程で遭遇した
未知の語彙についても可能な範囲で覚えていきましょう。
一問一答形式での丸暗記ではなく、
単語が持つイメージも一緒に、
多義語の場合は他の意味も一緒に、
押さえておければ、さらに理想的です。
本文では単語帳通りの意味で訳すと
歪な日本語になる場合もあるため、
前後の文脈に合わせてうまく訳してあげなければなりません。
長文読解や過去問の演習の後には、必ず訳しにくいと感じた箇所を中心に、
和訳を確認し、解釈の幅を広げましょう。
文法
語彙力同様、本文を読み進める段階、
設問の英文を読む段階、答えを判断選択する段階と
あらゆるステップで文法の力は必要です。
まずは単元ごとに学習し、
演習を重ね不自由なく使いこなせるようにしましょう。
そこからランダムに出題されるような総合問題の演習を通して、
さらにブラッシュアップしていきましょう。
一巡目ですべてマスターすることができればベストですが、
多くの場合そうはいきません。
繰り返し演習していると、
自分が苦手な単元や文法が浮き彫りになってくるはずです。
こうした単元を効率的に復習し、自分のものにしていきましょう。
文構造に対する深い理解
阪大の本文は、1文当たりが
長い文が見られます。
文型や時制、節の役割など1文の成り立ちを
意識しながら素早く読み進めなくてはなりません。
そのためには、文構造に対する理解・知識と
実戦で活用する習慣が不可欠です。
また、空欄補充や並び替えなどの形式では
多少の予備情報をもとに文を完成させられますが、
英訳や自由英作では、自力で文を完成させなくてはなりません。
こういった場面でも、文構造の意識が役立ちます。
精読力
前提として求められるのは語彙、文法の力です。
これらがある程度の水準で身についていなければ、精読は難しくなります。
こうした土台のもとに、1文の構造、
文章全体の構造、論理展開などを意識し、
正確に内容を捉える訓練を行いましょう。
精読力は効果を実感するまでに時間がかかります。
地道に感じるかもしれませんが、
正しい方法で継続することが何より大切です。
速読力
本文や設問の難易度からすると
制限時間は十分とは言えません。
そのため、いかに素早く本文を読み進められるか
がカギになります。
そこで捻出した時間を使って、
上手く訳したり、正しく英文を作りましょう。
速読の力は実戦形式の問題で身に付けましょう。
総合読解問題の演習や夏以降の過去問演習を
制限時間付きで取り組むことが重要です。
他にも、スラッシュリーディングをはじめ、
速く正確に読む技術が様々なところで語られています。
こうしたノウハウを取り入れながら演習することも大切です。
個人的には、演習後の得点出し/復習が大変重要だと考えています。
自分が訳せなかった文を丁寧に分解し理解したり、
文章をもう一度音読するなど、
解いた後の収穫を最大化することが過去問演習の肝です。
速読のノウハウや音読の効果については別の記事で解説することにします。
和訳力・英作力
どちらも直接得点につながる重要な要素です。
特に、阪大の場合は和訳も英作も、1文が非常に長くなっています。
最初からその長さの文を扱うのは、多くの受験生にとって
困難な場合が多いと思います。
標準的なボリュームの文章を和訳/英作する練習を行い
正確に作れるようになりましょう。
そのうえで、発展的な教材や過去問演習を重ね
柔軟に表現できる力を養いましょう。
短期間で身につくものではないため
計画的な学習と早めのスタートが重要になってきます。
阪大の英語の出題形式別対策
大問1 英文和訳
100語前後の2つの英文の
下線部をそれぞれ部分和訳する問題です。
下線部の範囲は50~60語程度になっています。
そして、下線部中にある文も非常に長くなっており
20~30語で一つの文が成り立っているものも見られます。
とはいえ、基本から逸脱した内容になっているわけではありません。
どの文章も基本5文型に関係詞や接続詞、句、節を用いて
長く複雑に形成されています。
まずは、主語、動詞を見極め、文型を判断し
文意の根幹をとらえましょう。
それに副詞や関係詞など修飾語句の訳も付け加え
最終的な和訳を完成させましょう。
また、直訳ではどこか不自然な日本語になってしまう
部分もあります。
そうした箇所を文脈に合うように、
自然な日本語に訳すことも必要です。
このあたりの感覚は練習しながら掴んでいくしかありません。
過去問演習を通して、各大問の本文訳はもれなく復習するようにしましょう。
下線部や直接答えになる箇所以外も確認し
上手な日本語訳を身につけましょう。
大問2 総合長文
本文を読み、設問に対して解答する
総合長文問題です。
設問には、同意語選択・内容説明・部分和訳など
様々な形式で出題されています。
長い英文ですので、本文を要旨を抑えながら、
素早く読み進める訓練が欠かせません。
本文を訳せたとしても、その内容を理解し、
情報を整理しながら読み進められなければ、
意味がありません。
ここは現代文的な側面も含んでいます。
なじみのないテーマに対する記事や解説文を読み
論旨をとらえる習慣をつけると良いでしょう。
大問3 自由英作
指定されたテーマで70語程度の自由英作を行う問題です。
★前向きな姿勢を保つのが難しくなった時
どうすれば抜け出せるか、
自身か他人の経験を例に
挙げて具体的に記述
★キャッシュレス社会の利点または、問題点を記述
★「何事も諦めが肝心」「諦めなければ道は開ける」
どちらの考えに近いか過去の経験を1つ挙げて記述
★これまでどのような失敗をし、いかなることを学んだか
最も印象的な例を1つ挙げて記述
★勉強の必要性に疑問を感じている中学生にどのようなアドバイスをするか記述
★タイムマシンがあれば使いたいor使いたくないか、理由とともに記述
など、幅広いテーマから出題されています。
近年は社会的な話題に因んだものに加え
自身の経験をもとに記述するものが出題されています。
自由英作のポイントを先にまとめておきます。
・設問に対して明確に答える
・難しい表現や単語が求められている訳ではない
・不安な表現は避け、誤りのない正しい英文を心がける
・詰まったら別の書き方はないか柔軟に考える
基本通り日本語で内容を考えた上で、英語に直すという
手順で取り組みましょう。
日本語で考える段階では、
自分が記述する内容と文章の構成を
大まかに仕上げましょう。
この段階で使えそうな英語の表現や単語なども
少し意識しながら組み立てられるようになれば、
英作の段階で少し楽になります。
英作の段階ではとにかく、誤りのない英文を
心がけましょう。また、完成した文は、時制・態など文法的な
ミスがないか必ずチェックしましょう。
文章の構成については過去問演習を重ねながら、
自分が描きやすい型を作り
それに沿って文を展開できるようにすると
時短やミスの防止につながるでしょう!
大問4 和文英訳
2020年に出題された問題の下線部のみ抜粋します。
A
学べば学ぶほど、いままでわからなかったことがわかるようになり
それによって自分に視野が広がります。知らないことや新しいことに
出会うと好奇心が刺激され、もっと多くのことを学びたくなります。
(池上彰.2020.『なんのために学ぶのか』SBクリエイティブより一部改変)
B
(イ)文学部の志願者
登山家にとっての表現はあくまで登山行為そのものであり
その登山行為を後から文章にまとめたところで、そんなものは
所詮‘おまけ’、彼の登山の副次的な生産物にすぎない。
あとから本を書こうが書くまいが、いずれにせよ彼は山に登っただろうし、
登っている最中にあとから本を書く自分を意識するなどということもない。
(角幡唯介.2020.『旅人の表現術』集英社)
(ロ)文学部以外の志願者
表現の自由にしろ、公共の福祉にしろ、民主主義にしろ、
それにいかなる価値があるのかを自分の言葉で語ることができなければ、
「そんなものは守るに値しない」と言い切る人たちを
説得して翻意させることはできない。
(内田樹.「民主主義をめざさない社会」http://blog.tasturu.com/2020/03/26_1503.htmlより一部改変)
書籍からの出典ということもあり、
原文をそのまま英語に変換することは
かなり難しくなっています。
まずは日本から、主語・動詞を推察し
文型に当てはめ、英語で表した場合の
骨組みを考えましょう。
そこに修飾語など残りの情報を適切な場所に
付け足して、完成を目指しましょう。
英語に変換しにくい表現は
他の言い回しや、
同意表現でカバーできないか試してみましょう。
和文英訳についても、過去問を中心とした
実践を通して、原文の言い換えや
表現の幅を広げ、力をつけていきましょう。
大阪大学の英語の対策 まとめ
いかがでしたしょうか?
今回は大阪大学の英語について対策のまとめを書かせていただきました。
この記事を参考に、大阪大学の対策を進めていってほしいと願っています!
現在、高校1年生、2年生の人も今後の受験勉強の参考にしていただければ幸いです。